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zoom RSS 新型インフルエンザ---週間医学界新聞より

<<   作成日時 : 2009/08/12 01:41   >>

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 8月10付の週間医学界新聞に新型インフルエンザに関するインタビュー記事が出ていたので紹介します。回答者は、押谷仁 氏です(最後にプロフィールを示しています)。

*海外における新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況について
---世界中で感染が急速に拡大しています。冬を迎えた南半球だけでなく、夏になると流行が収束するとの見方があった北半球、東南アジアにおいても、感染者急増中です。
 死者は世界中で700人以上出ており、最も多いのはアメリカ合衆国です。これで、医療設備の不備などの問題で死亡原因を片付けられないくなってきています。

 <アメリカ合衆国の場合>
 健康な若者の間で流行
  ↓
 コミュニティーに広がる
     ↓
 リスクファクターのある人も罹患→重傷例↑

★軽症で済む場合が大半だが、感染が拡大すれば一定の割合で重傷者が出てくる。

*WHOは6月11日にフェーズ6を宣言した際、このパンデミックを"moderate"と表現しました。その意味は?
 [注: なお、パンデミック(pandemic)とは、世界的な流行病に対する医学用語で、ある感染症が世界的に流行することを言います。感染爆発、あるいは汎発流行とも。http://blog.livedoor.jp/touxia/archives/50870964.htmlに詳しい説明が紹介されています。]
---これまでのパンデミック対策で想定されてきたH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザや、1918-20年に流行したスペインインフルエンザ(致死率2%、死者4000-5000万人/全世界)のような"sever"なパンデミックではないが、季節性インフルエンザ(致死率0.1%程度)のような"mild"なパンデミックでもない、その中間に位置づけていることになります。
 なぜ各国がフェーズの引き上げに反対する中で行われたのかというと、「季節性インフルエンザとは異なる、大きな被害が起こる可能性がある」ということです。季節性インフルエンザよりも危険度が高いということは認識しておいてください。

被害想定は?
---被害想定=[罹患率] x [致死率] で決まります。
  罹患率= 何人の感染者が出るか、
  致死率= 感染者のうち、どのくらいが重傷化し死亡するか

 日本を例にとると
 季節性インフルエンザの場合 罹患者 500-1000万人/年
 新型インフルエンザの場合 3000万人と仮定。
  [一部高齢者には免疫があるともいわれていますが、ほとんどの人は持っていません。そのため罹患率は季節性インフルエンザより高いと想定されます。]
  ⇒ウイルスの病原性が季節性インフルエンザと同程度の0.1%とすると 死者3万人
  ⇒病原性が季節性インフルエンザを上回って致死率0.4%まであがった場合 死者12万人
moderateでも、致死率が少しあがるだけで、これだけ被害が甚大になるということです。可能性としては季節性インフルエンザと同程度の被害で収まる可能性も否定できないのですが、問題は数だけではないのです。

★季節性インフルエンザによる死者⇒大半は高齢者。ウイルスが直接の死因ではなく、インフルエンザ感染をきっかけに細菌性肺炎や心筋梗塞を起こすインフルエンザ関連死が大半を占める。

★インフルエンザによる死者⇒大半が子供や働き盛りの成人。主な死因はウイルス性肺炎による呼吸不全。これは高齢者が季節性インフルエンザで亡くなるのとは社会的インパクトが違うのです。

ニューヨーク市のデータから
 7月1日の時点で、909人が入院、47人が死亡。入院者・死者ともに25-65歳のグループがそれぞれ379人と42人と一番多くなっています。アメリカ合衆国は日本よりも入院基準が厳しいことを念頭に置かなければなりませんが、6月12日の時点で入院患者のうち2割がICUでの管理を、1割が人工呼吸器を必要としています。つまり、重度の肺炎で入院しているのです。
 入院患者の全体の8割がリスクファクター(=病気になる危険因子)を抱えており(7月1日の時点)、中でもぜんそくが3割を占めています。あとは心臓病、慢性呼吸器疾患、糖尿病、免疫不全などです。他に、乳幼児、妊婦、高齢者の重症化例も報告されています。
http://www.nyc.gov/html/doh/html/cd/cd-h1n1flu-data.shtml

*免疫があるから高齢者は重症化しないという説について?
---一部の方は免疫があるのかもしれませんが、ナーシングホームなどのハイリスクグループに感染が広がっておらず、高齢者の罹患者が少なかった可能性が考えられます。

*重傷化の病態は?
---多くはウイルス生肺炎にARDS(=Acute Respiratory Distress Syndrome; 急性呼吸促迫症候群)
を合併していると考えられる。免疫の過剰反応から多臓器不全になっている例も報告されています。

*新型インフルエンザウイルスは弱毒性といわれているのに、なぜか?
---ウイルス側の因子だけでなく、ホスト側の因子も重要だと考えられます。つまり、ほとんどの人が免疫がないため、一部の症例、特に基礎疾患がある人などでは、ウイルスの増殖を全く防げないと考えられます。これは我々が恐れていたH5N1型(高病原性鳥インフルエンザ)に近い状態です。

★ほとんどが軽症で済み、重傷かの頻度は低いが、重症化した場合には治療が難しくなる。

*神戸・大阪の流行は第一波ではない?
---パンデミック対策を考える際は、季節性インフルエンザの罹患率5-10%を越えるものを想定。つまり、人口の20-30%、日本全体では2000-3000万人ぐらいの規模です。これに対して神戸・大阪の罹患率は数百人単位で、とても第一波とはいえない。

*静かな感染拡大と学校閉鎖の有用性
---日本では現在、静かな感染拡大が確実に進行中です。(下図)
画像
患者の集積が考えられる地域がいくつかあり、学校での流行などの形で徐々に顕在化しつつあります。この中から本当の第一波を起こすところが出てくるかもしれません。

*日本の現状がくすぶり流行のような状況で、重傷者や死者も出ていないのは?
---日本は自治体や保健所が患者をこまめに見つけて、接触者調査や学校閉鎖を行うことで、感染拡大を抑えている可能性があります。学校閉鎖を徹底的に行って、結果的に感染拡大が収まりました。

*大規模な感染拡大を前に
---本当に大きな流行が来たときにどうするかを考えないといけません。
  日本における希望的要素としては、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄が豊富なので、早期投与を徹底することで、重傷かを阻止することが可能です。また、公衆衛生上の対策に社会の理解が得られやすいということもあります。
 大規模な流行が起きると、必ず社会の弱い部分が大きな被害を受けます。それを補強するにはどうしたら良いかを皆で話し合う必要があるでしょう。

押谷 仁プロフィール
1987年東北大医学部卒業。国立仙台病院〔現国立病院機構仙台医療センター〕にて研修後、1991-94年、JICA専門家としてザンビアでウイルス学の指導に従事。1995-97年テキサス大学公衆衛生大学院〔公衆衛生修士〕。1998年新潟大学助手。1999年同講師。2005年9月より東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授。1999年8月より世界保健機構〔WHO〕西太平洋事務局・感染症地域アドバイザーとしてSARSや鳥インフルエンザへの国際的な対応を指揮。WHOのグローバルパンデ
ミックプランの改定にも携わった。


まだまだ新型インフルエンザの危機は去っていないんですね。皆さんもまずは手洗い・うがいと行った気本的なところから努力してくださいね。

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